こんにちは。覆面講師のTです。
ずいぶんお久しぶりですね。
たしか、前回のコラムの終わりに
「続きはまた来週」とか書いちゃったような気もするのですが、
それにしても結構、間が空いてしまいました。
「お前の言う一週間は数ケ月か?」とのツッコミ、
この際ご勘弁ください。
そんなこと言ってたら、あーた、
インドに旅行なんか行けませんよ
(インドでは鉄道が平気で半日くらい遅れて来ますから)。
それに、アインシュタインの相対性理論によれば、
時間の過ぎ方なんて・・・
え? もういいって?
あ、はい、このコラムを期待していただいていた方々、
更新が遅くなって大変申し訳ありませんでした。(ペコリ)
いやあ、昨年末にでも更新しようかと思っていたのですが、
12月初めに思いがけず、
国家より重要なミッション(!?)を仰せつかってしまいまして、
それに加えて、普段の本業での仕事に、
さらに副業でやってる当塾での冬期講習やら受験学年の受験指導でしょ、
もう、てんてこ舞いでね、気が付けばもう桜が咲く季節です。
(追記)「『重要なミッション』って何?」ってお思いの貴方、
それについては
来月より掲載予定の新シリーズ
「年の暮れにドドーン!大当たり~」(仮題)にて、
詳述いたします。乞うご期待。
まあ、毎年のことなんですが、
春先、ようやく受験指導の多忙さから解放されると、
その時間的余裕は、
小生の塾内での立ち位置や存在意義なんかを
考えてしまう時間へと変化しちゃうわけです。
実はね、年明けあたりからいろんな個人的事情が複合的に絡み合って、
「平成の終わりとともに、自分ももう潮時かな」
なんて思ったりもしてたのです。
あえて例えるならば、
自らに斜陽を感じ取ったロートルのプロ野球選手が
現役引退を意識し始める時の感覚に似たものなのでしょうか。
思えば、ふたば塾ができてからこの二年間、
知人であった塾長先生と理系講師M先生から
誘われたのがきっかけで、
当初は「とりあえず草創期の間のお手伝いを」
という意識で講師として関わり始め、
ただがむしゃらに自転車を漕ぎ続けてきました。
しかし、塾も草創期から発展期へと移ろうかというこの春先、
自分には一つの節目がやって来て、
漕ぐペースを少し落とそうとしてみても、
車輪はそれまでの惰性で回転数を保持しようとするから、
どうしても、意識と現実との間に微妙な乖離が生じてしまう。
これが曲者だったのです。
3月に入って、
忙しかった受験指導も一段落し時間に余裕ができたのに、
それがかえって乖離を助長してしまう。
自分の身の処し方について余計なことばかりを考えてしまうんです。
ついには「果たしてこのまま講師を続けていいものなのか」という
メランコリーの塊となって、
小生の心に濃い霧をかけてしまったのでした。
そして、年初より抱いていた思いとも相俟って、
「塾の運営も軌道に乗りつつある今、
いい節目だし、もう辞めちゃおっかな」なーんてことを口走って、
塾長先生を困らせてしまったりもしました。(猛省)
それでも、とにもかくにも、この一ケ月半、
受験生をなんとか無事に試験場へと送り出し、
講師業の方も、塾長先生のとっても深~いお慈悲により、
なんとか現役続行に決しましたが、
その一方で、肝心の筆の方は気が付いたら完全なイップス。
ほら、阪神タイガースの藤浪慎太郎が
ちっともストライクが入らなくなって苦しんでるアレです。
球を投げるのと、文章を書くのとの違いこそあれ、
小生も似た感覚を覚えてました。
やっと、コラムを書く時間の余裕もできたのというのに、
歌を忘れてしまったカナリヤは、
塾での講師業務を遂行するだけで一杯一杯、
コラムを再開しようにも全く筆が進まなくなってしまったのです。
でも、いつまでもそんなことも言っていられないので、
リハビリがてら、また執筆を再開していこうかと思ってます。
テレ朝のドラマ『ドクターX』で大門未知子(演:米倉涼子)が、
「わたし、オペをしてないと死んじゃうの~」
みたいなことを言ってましたが、
その気持ち、小生もなんとなく分かります(笑)
小生も、恒常的に教え続けていないと、
講師としてのモチベーションもスキルも死んじゃうのかもしれません。
だから、講師として生き続きていくためにも、
そして、一年でも長く現役でいられるためにも、
今年度も教え続けると決心しましたし、
指導と並行してコラムの方も少しずつでも書いていきます。
まだ心の霧は完全に晴れたわけではないんですが、
塾生と触れ合うこと、そして、
こうやって日々の思いを綴っていくことも治癒と考え、
たとえ亀の歩みになろうとも・・・ まあ、頑張ります。
ということで、
更新遅延の弁明はこれくらいにしましてシリーズ再開です。
えーと、これまで何の話をしてましたっけね?
あ、そうそう、健さんとの邂逅でしたね。
平成30年8月某日、
備中高梁駅からバスに揺られること約20分、
着いたのは山と川に挟まれた狭隘な土地に設けられた成羽バス停。
そのバス停のすぐそばに目指す成羽美術館はありました。
旧成羽陣屋跡の石垣を左手に見ながら駐車場を横切り、
階段を昇って行ったTの目の前に現れたのは、
コンクリート打ち放しの壁一面にガラスが張られた、
どこかで見たことがあるような建物。
逸る気持ちを抑えるためにも、
Tは目の前にあったトイレで小用を足すことにしましたが、
このトイレがまたシュールというか、なんというか・・・
本館に突撃前から頭がクラクラしてしまいます・・・
軽い眩暈を覚えながら、入り口を探すT。
でも、喫茶の入り口やトイレは目の前にあるのに美術館の入り口が見当たらないんです。
首の骨が折れるんじゃないかってくらいに首を三百六十度回転させ、
やっと見つけたのは、外壁に張り付いている二階へと続くスロープ。
そう、この美術館は、入り口や受付が二階にあるのでした。
スロープの左側には池があり、その向こうには木々が生い茂る緑深い山々。
そして、右側には無機質なコンクリートの壁。
自然と人工の造物で訪問者を挟み撃ちにしようかという、この憎たらしいまでの演出、
「誰やねん、こんなもん考えたのは?」と思い、
歩きながらスマホで検索してみたら、やっぱり安藤忠雄先生による建築でした。
なるほど。
小生が建物を初めて見たときに覚えたこのデジャブ、
それは、以前、直島の地中美術館で感じたのと同じものでした。
こんな山奥の町(失礼)で安藤作品に出合えるとは、来た甲斐があったというものです。
昂奮を抑えきれないまま、二階受付にて当日券(1000円也)を購入。
さあ、いよいよ、本日の主目的である健さんとの邂逅を果たすため、
展示室に突入であります。
ということで、あまりにも長くなりそうなので、きりのいいところで、
今回はここまでにしておきましょう。続きは今月中には必ず・・・
最後に、これから受験モードへ入る塾生に一言。
一階展示室に貼ってあった、映画の中での健さんの名言です。
「苦しいと思うか、楽しいと思うか、
心のスイッチの切り替えひとつで決まるんです。」
映画「海へ ~See you~」(1988、東宝)より
ぜひ、受験勉強を楽しみましょう、ふたば塾生!!