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理系講師Mのよもやま話①

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こんにちは。

理系講師Mです。
ふたば塾では主に理科、数学、英語を教えています。
先日からはじまった覆面講師のT先生のコラムを
楽しく読ませてもらっています。

そこで私はT先生に
「さすがT先生、文筆を生業としているだけあって
私が書くような文章とは全然クオリティが違いますね。
だだ、文章の本題に入るまでの前振りが長いですね。
その部分はあってもなくてもいいんじゃないですか?」
と文章のド素人が褒めているのか、けなしているのかわからないことを言うと、

T先生は
「何を言ってるんですか?
原稿料は原稿用紙何枚書いたかで決まるんですよ。
話を膨らませていかないと稼げないじゃないですか?
枚数を書いてなんぼですよ。
理系の人たちはすぐ結論を書いていくでしょ?
それじゃあ、文章の味わいも深みも何もない。」
そんなに言うなら次はM先生も何かコラムを書いて下さいよ」
と振られてしまいました。

ということで話を振られてしまったし、
T先生に既に2本コラムを書いてもらったので、
私は文才は全くないのですが、書いてみることにします。
もちろん、T先生には校正はお願いしました。笑

さて、何について書こうかと考えましたが、
自分の専攻が化学でふたば塾では理科も教えているので、
それに関することを書こうと思います。
単純に教科書に載っているような化学の知識を披露しても
興味のない人には全く面白くないので、
日常生活をしていて興味があるような現象を
化学の知識を使いながら書いてみます。

日頃おしゃれとは全く無縁な人間と思われていますが、
私は以前某メーカーで
化粧品やシャンプー、コンディショナーの研究開発に長年携わっていました。
これらの製品は消費者の皆さんの「美」へのこだわりや
生活を便利にしたい欲求を満たすために、
多くの化学のテクノロジーが応用されています。

製品のブランド名をここで書くと一発でわかってしまうので、
控えますね。

特にヘアコンディショナーの研究開発部門に長いこといたので、
今回はヘアコンディショナーについて書こうと思います。
街の美容師さんたちとは少し違った科学的な角度から
ヘアコンディショナーについて紹介してみます。

もし今回のコラムの反響が良く、
気が向いたらファンデーション、化粧水、日やめ止め製品や
他のトイレタリー製品についても書くかもしれません。笑

さて、ここからが本題です。
皆さんは髪の毛を洗う時にコンディショナーを使っていますか?
コンディショナーを使うと髪の毛がサラサラになると思いませんか?
髪の毛が長い女性は髪の毛同士がからみにくくなり、
くし通りが良くなりますよね。
なぜだと思いますか?
この “なぜ” が理科や科学の考察のスタートなのです。

主な要因はコンディショナー中に含まれる
アンモニウム化合物とシリコン化合物です。
この2種類の化合物に共通する性質が“疎水性”です。
わかりやすく言うと水への溶けにくさ(水との仲の悪さ)です。
反対語が“親水性”(水への溶けやすさ)です。
話が化学らしくなってきましたね。
(T先生から味わいがないと言われても結論から書きました。笑)

この2種類の化合物の疎水性という性質がコンディショナーを
使用した後の髪の毛のサラサラ感をもたらしているのです。

身近な疎水性を利用した製品の例を上げますと、
テフロン加工をしたフライパンです。
このタイプのフライパンは、
水はもちろん油もはじいてしまいます。
はじいているという事は仲が悪いのでお互いの接触面積を
できだけ小さくしようとしています。

フライパンが冷えた状態の表面を指で触ってみて下さい。
サラサラですよね。
これは接触面積が小さいために指で触った時の
摩擦力が非常に小さくなっているためです。
この状態と似た状態がコンディショナーを使用した後の
髪の毛の表面なのです。

人間の皮膚は親水性領域を疎水性領域が混在しているので、
主にその親水性領域部分が
コンディショナーからのアンモニウム塩化合物やシリコン化合物によって
コーティングされた毛髪表面の疎水性とはじき合って接触面積を小さくし、
指との摩擦も小さくします。
結果として触ったときのサラサラ感をもたらしています。
髪の毛の摩擦が減少するという事は、
髪の毛1本1本がお互いに引っかかりにくくなり、
もつれにくくなります。これがくし通りの良さにつながります。

ここで、一つ疑問がわきます。
髪の毛は疎水性なのか親水性なのか?
答えは皮膚と同様に親水性領域を疎水性領域が混在しています。
それでは皮膚とは性質面で仲の悪い疎水性のアンモニウム化合物やシリコン化合物が
なぜ髪の毛をコーティング可能なのか?

ここの段落は高校化学領域ですので、
興味のない方は読み飛ばしてください。
(本チャン化学選択生は余裕ですよね?)
髪の毛は主にケラチンという硬い性質のタンパク質からできています。
このケラチンというタンパク質はアミノ酸から構成されています。
このアミノ酸にはカルボキシル基とアミノ基が含まれています。
通常、洗髪する時の水は弱酸性~中性付近で、
アミノ酸はその解離定数pKa値により
カルボキシル基がCOO に解離してマイナス電荷帯びます。
このカルボキシル基のマイナスイオンと
コンディショナー中のアンモニウム塩のNH3+のプラス電荷が
引き寄せ合って毛髪表面に吸着します。
(一種の塩の状態です。)
結果、アミノ酸のカルボキシル基とアンモニウム塩は
お互いのイオン性(親水性)を打ち消しあって
アンモニウム塩のアルキル基による疎水性だけ残ります。
これがアンモニウム化合物が毛髪に吸着する原理です。

一方、シリコン化合物ではどうでしょうか?
コンディショナーに使われる一番シンプルなシリコン化合物は
イオン性を持たないので、
その化合物の粘度(ねばりけ)で毛髪に付着させます。
聞いたことがある方や毛髪表面の電子顕微鏡写真を
見たことがある方も多いと思いますが、
毛髪表面にはキューティクルがあります。

キューティクルは毛髪の表面をうろこ状に覆っていいます。
このうろこ状の小さい段差の部分に
シリコン自身の粘度(ねばりけ)で付着します。
その結果、キューティクルの段差が小さくなる(形状的ななめらかさ)のと
シリコン化合物の疎水性で髪の毛がサラサラになります。

近年はシリコン化合物の研究が進んで、
シリコン化合物と先に話したアンモニウム化合物の性質をあわせた化合物を合成して
シリコン化合物にイオン性を含ませて応用されています。
1つの化合物に2つの性質を導入することで、
毛髪全体のコーティング効率が飛躍的に向上してサラサラ感が格段にアップしています。
大雑把にヘアコンディショナーを使用した時の
サラサラ感について化学的に説明するとこんな感じです。

このように私たちの身近な製品には化学や物理の知見を駆使し、
精密にデザインされて利用されて、
日常生活に快適さや便利さをもたらしてくれます。

最後に
理科が苦手で興味がもてない諸君、
身近な現象や日ごろ使っている製品をみてなんでだろう?と
興味をもって調べたり、聞いたりするところから理科への興味が沸いてきます。
疑問に考えたことをいろいろな方法で調べたり理解して解決するのは
どの教科でも共通する学習方法です。できることからトライしてみてください。

理科が好きで得意な諸君、
学校で学習した知識が、世の中でどのように利用されているか?
最先端の研究はどのようなものか?
ぜひ、インターネットなどを使って調べてみてください。
ドンドン視野が広がり、知的好奇心を呼びおこし、
学習のモチベーションが上がってくると思います。

どうでしょうか? ちょっと難しかったですか?

今回のお話で化粧品やヘアケア製品の性能の原理や
科学的バックグランドに興味もった方がいれば、
ふたば塾でたっぷりとお話しましょう。

楽しみにお待ちしています。

 

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