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覆面講師Tの「つれづれならぬ日々」③ vol.6

覆面講師Tの「つれづれならぬ日々」③ vol.6【完】

【健さんとの邂逅編~最終章~】

こんにちは。覆面講師のTです。

みなさま、令和新時代おめでとうございます。
といっても、元号が変わったところで小生の周りでは、
おめでたいことも、不幸なことも、なーんにもありゃしません。
まあ、そんなもんです。

元号の変わり目の5月1日、渋谷のスクランブル交差点では、
また例によってバカ騒ぎした人も大勢いたみたいですが、
変に「新時代だ」とか「気分一新」だとか、
イキったところで、劇的な変化なんかあるわけないのです。

最近よく、時代遅れのもの、守旧化したものを
「昭和の産物」だなんて貶す人がいますけどね、
令和の新時代だって、昭和を経てやって来ているわけですよ。
新しい発想とは言ってみても、
時代が変われば神からのご啓示のようなものがパッとあるわけじゃなし。
突然、「無」から「有」が生じるわけはないのです。

実際は、年月の経過とともに
古いものの中で普遍的なものと陳腐なものとが取捨選択される。
そして、後世へと受け継がれた普遍的なものがアレンジされて
あたかも新しいものであるかのような外観を纏う、
ただそれだけのことなんじゃないかと思っています。
まさに「温故知新」という言葉が示すこと、そのものなのです。

だから、令和の時代にあえて昭和の発想にフィードバックしてみる。
とりわけ、創造に行き詰まった人にとっては、
これ、意外と大事なことなのかもしれません。

ということで、今回も凝りもせず、昭和のお話を続けたいと思います。

さてさて、前回からの続きであります。

平成30年8月某日、
健さんとの邂逅への期待に胸を膨らませたTが展示室へと入室後、
最初に目にしたのは、
入り口脇のガラスケースに飾られた健さんの東映入社時の社員証(実物)でした。

一昔前の学生証のように、
紙の台紙に白黒写真が貼られ朱色の割り印が押されている代物ですが、
これ、健さんファンのみならず日本映画ファンにとっては垂涎ものです。

かく言う小生も、
この社員証をじぃーと10分くらい直立不動で眺めておりました。
そして、その展示室の壁には、大小数々のモニターが掛けられ、
健さんの出演映画すべて(なんと205作!!)の、
ダイジェスト版が延々と流れ続けているという構成。

展示室から廊下、そして次の展示室、
二階の展示室が終われば階段を下りて一階の展示室へと、
順路の両サイドにモニターが連綿と続いており、
健さんの作品を年代が古い順に鑑賞できる仕組みになっているわけです。

大雑把に分けると、入り口のある二階が東映初期~東映退社までの、
「網走番外地」シリーズ、「昭和残侠伝」シリーズなど仁侠映画が主体の展示。

そして、一階へと降りると、
東映退社(1976年)後フリーとなった健さんの作品は、
一気にテイストが変わって、
「八甲田山」、「駅 station」、「夜叉」、「幸福の黄色いハンカチ」、「南極物語」など、
人間ドラマの作品が中心となります。

このすべてをじっくり鑑賞するとなると、
一作品あたりダイジェストが1分としても、
205作×1分=約3時間半、
まあ、それなりの時間の準備は必要なわけです。

実際、小生は一回ではすべて見切れずに、
一ケ月後に二度目の訪問をして全作品を堪能いたしました。

この中でもとりわけ、小生が度肝を抜かれたのは、
二階奥の大展示室でしょうか。
この部屋は壁のみならず床や天井までもが
スクリーンの役割を果たしており、
その四隅に設置されたプロジェクターから
映像が映し出されている。

360度、上下左右、
どこを見渡しても健さん、健さん、健さん、健さん。

四方八方に「網走番外地」「日本侠客伝」「昭和残侠伝」などの
東映時代の代表作が、
東映名物の真っ赤っかな惹句(映画予告編の宣伝文句)とともに、
三次元的に、大画面、大音量、大迫力で流れ続けていたのでした。

圧巻!!!

その部屋の中央に置かれたベンチに座って、呆けたように
前後左右だけでなく上下も見回し続けるT。
この部屋だけで一時間近く過ごしてしまいましたが、
まさしく至福の時間でした。

このアイデアを出した人、
小生としてはノーベル賞に推薦したいくらいです。

ああ、遠路はるばる来た甲斐があった、健さんとも出会えた・・・

そんな満足感に浸りつつあったTでしたが、
しかし、
今回の旅における健さんとの本当の『邂逅』は
この後に控えていたのでした。

一階に降りてからもTは、
森谷司郎監督(岡山朝日高校出身の監督です。
円熟期に差し掛かろうという時に
早世してしまったのは日本映画界には大きな損失だと思います)
の「八甲田山」、「海峡」、
そして松田優作との共演で話題になった「ブラックレイン」など
何度も見たことのある映画を、飽きることなく眺めていましたが、
映像ばかりに気を取られていたTは、
その横の展示室を危うく見逃すところでした。

健さんが使った台本やロケ時の携行品、
出演作のポスターなどが飾られたその部屋は、
映像展示の大迫力に比べたら
淡々とした空気感が漂っていましたが、
その片隅に飾られていた健さんの言葉に小生の目は釘付けとなったのです。

『いい風に吹かれていたいですね。
あまりきつい風にばかり吹かれていると、
人に優しくなれないですね。

だからいい風に吹かれるためには、
自分が意識していい風の吹きそうなところへ
自分の身体とか心を持っていかないと。

じっと待ってても
なかなか吹いてきませんから。』

(出典:NHK「クローズアップ現代」
スペシャル対談『高倉健と国谷裕子』より)

まさに、健さんの生き方そのもの、
実直な人柄がにじみ出た言霊(ことだま)であります。
本当の邂逅とは、この言霊に出会うことだったのです。

健さんと同時期の映画スターといえば、
鶴田浩二、丹波哲郎、三船敏郎らになるのでしょうが、
健さんを含めこれら「日本映画の四天王」
(小生が勝手にそう呼んでおります)の中で、
健さんだけはやや異質なのです。

芸能人といえば、私生活は派手なのが常。
今も昔もそうであるのがスターのステイタスであったりするわけです。
しかし、プレイボーイとしてマスコミを賑わせた他の三人とは違い、
健さんは銀幕の中の愚直で寡黙な主人公と同じく、
私生活でも派手な露出を嫌い、
ストイックな生き方を貫いたと言われます。
その証拠に、
健さんのプライベートは亡くなるまで巷間ではほとんど伝わっていません。

ただひたすらに、演じることにほとんどの時間をつぎ込んだ人生。
そこには仕事のオン、オフなどの区別はなく、
役者としての道を極めようとした姿を想像できます。
その『求道者』たらんとする姿勢が生み出した言葉、だからこそ、
美辞麗句など修辞にこだわらない素朴な表現でも、
言葉に魂が乗り移って我々の心に響くのでしょう。

かく言う小生も、この春先、人生の方向性を見失っていました。
講師としてこのまま現役を続けるべきか、
講師業は引退(廃業)して東京に戻って従前の仕事に戻るべきか、
連日、葛藤が続いていました。

そんな時に、ふと思い出したのがこの言葉。
成羽美術館で咄嗟に鞄から
メモ帳を取り出して書き留めておいたものですが、
思わぬところで役に立ちました。

そのメモを見ながら思ったことですが、
結局のところね、
人の幸せなんて「どれだけ他人に優しくなれるか」によるのでしょう。

まあ、考えてみれば当たり前のことなんですけど、
俗塵にまみれ日頃の雑事に追われていると、
この当たり前のことがわからなくなっちゃう時がある。

だから、人生の方向性を見失ったときは、
いい風に当たらなきゃならない。

問題は、その「いい風」がどこに吹いているかってことなんです。
自分が今いる場所にいい風が吹いていないと思うなら、
自分から動いて、いい風の吹いている場所に行かなきゃならない。

反対に、今いる場所にいい風が吹いているのならば、
下手に動かずじっと腰を据えるのも一つの手なのでしょう。
要は、「風を読む力」こそ「生きる力」ってことなんですよね。

すべての雑念を取り払い、
今、自分に風が吹いているのか、もし吹いているとしたら、
それはいい風なのか、きつい風なのか、
小生は健さんの言葉を思い出しながら、じっくりと考えてみました。

その結果、
小生は5月半ばになってもふたば塾で講師として現役を続けています。

まあ、そういうことなんです。
昭和の時代の言葉に、令和を生きる人間が救われたのです。
小生にとって今いちばんいい風が吹く場所とは、
原尾島のハッピータウン近くの裏道にある、
小さな学習塾だったってわけです。

ふたば塾は今年で三年目に入りましたが、
今、とってもいい風が吹いていると思います。
それはTが自身の経験をもって保証いたします。

いい風はもちろん、塾生に対しても吹きます。
だが、毎日が心地よい風ばかりとはいかないかもしれない。
中には、微風程度の日もあるかもしれません。

もし、それが真夏の暑い日だったら、
その微風を大きな団扇で扇いで、
塾生たちが少しでも空高く飛翔できるように風を送るのが
小生ら講師陣の役割。

塾生に暴風雨が吹くような時には、
その盾となってきつい風にあたらないようにするのも講師の役割。

すべて、健さんの言う「人に優しく」なるためなのです。

もし、人生の岐路で迷いが生じている人がいれば、
ぜひ、ふたば塾の門戸をたたいてください。
いい風を送って差し上げます。

そして、すでに塾生となっている諸君、
さらなる飛翔を目指すためにも、
もっともっと、いい風にあたりに来てください。

高く舞い上がりましょう、ふたば塾生!!

【完】

ふたば塾へのメールでのお問合せは24時間受付中 info@futaba-juku.jp TEL 086-230-0256 受付時間 9:00 - 20:00

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